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「チェスわくわく戦略入門」は、ルールを覚えたての初心者に「戦略(ストラテジー)」を簡単に紹介する入門教室です。

今回の番外編はアメリカの国際チームのコーチであるジェレミー・シルマン(Jeremy Silman)さんの、世界的に有名な理論『インバランス戦略』を紹介します。

なお、下のリンクにある洋書「How to Reassess Your Chess」にて詳しく書かれています。

「インバランス」とは「差分」

シルマンさんの戦略理論の鍵である『インバランス(Imbalances)』というのは「自分と相手との配置の良し悪しの差分」のことです。
例えば、

  • 相手より自分の方がビショップが動きやすい。
  • 相手より自分の方がポーンがいい位置を守っている。
  • 自分より相手の方がマイナーピースの展開が早い。

などです。

imbalances

つまり、「インバランス戦略」でもっと大事なことは、自分と相手の配置を比較して、「自分は相手よりどの部分がどれだけ優っているか」あるいは「自分は相手よりどの部分がどれだけ劣っているか」を判断することです。

ちなみに、駒の配置の良し悪しは「カテゴリ : チェスわくわく戦略入門」を参考にしてみて下さい。

先ずインバランス、最後に叩く

チェスではいきなり相手を出しぬいて駒得したりチェックメイトしたりすることは、よほどの実力差がない限り、不可能です。
無理に相手を出しぬく方法を考えると、それが自身のミスを引き起こし、逆に追い詰められてしまいます。

そこで「自分に有利な差分(インバランス)を積み重ね、最後にその差分で相手を叩く」という考え方をする必要があります。
実際、自分に有利な差分(インバランス)を積み重ねていくと、自然に相手を叩くチャンスを発見することができます。

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勝兵は先ず勝ちてしかる後に戦いを求め・・・

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数千年前の中国の兵法として有名な「孫子の兵法」というのがあります。
これは占い・精神論にたよらず、極めて合理的に狡猾に戦国時代を生き抜くために書かれた兵法書で、現在でもビジネスなどでよく参考にされています。

その兵法書の一節に「勝兵は先ず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗兵はまず戦いてしかる後に勝ちを求む」というのがあります。
簡単に言うと「強い奴は勝ってから戦う」ということです。

チェスでも先ずは自分に有利な差分(インバランス)を積み重ね、そこで「勝利」してから具体的に駒得やチェックメイトを狙うと、無理なく自然に対戦に勝つことができます。


まとめ

一言でまとめると、
『自分に有利な差分(インバランス)を積み重ね、相手を叩くチャンスを伺う。』
です。

実はチェスに限らず、トレーディングカードゲームなどの戦略的な対戦ゲームでもこの「インバランス戦略」は通用します。
「インバランス戦略」を身に付ければ「対戦ゲームのセンス」そのものを磨くことができるかもしれません。