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僕のチェス経験から、僕流の「チェス上達法」を 7つ紹介します。

1. ミスをして攻略していく

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チェスの上達の「最も基本」で「最も効果的」な方法は、「ミスをして、その局面と手を覚える」ことです。

テレビゲームで「死にゲー」というのをご存知でしょうか。
「死にゲー」というのは「プレイヤーキャラクターを何度も殺しながら少しずつ試練を攻略していく」タイプのゲームです。

ゲームというものは多かれ少なかれ、基本的に「死にゲー」です。 チェスも例外ではありません。
「何度もミスをして、何度も負けて、少しずつ強くなっていく」のが上達の基本です。

ただ・・・「負けると心が痛い」です。
チェスは見方を変えると「プライドのへし折り合い」です。
なので、「ミスをして攻略していく」を実践するには「プライドがへし折られることを恐れない」という心がけが大事になります。

2. 迷ったら指す

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試合中次の手を考えている時、「不安だけど、この手は有効なのだろうか・・・?」と迷う場面に何度も遭遇します。
このとき以下の 2つの選択肢があります。

  • 不安なその手を避け、よく知っている安全な手を指す。
  • 「失敗して負けてもいい!!」と割り切ってその手を指す。

どうしても負けられない試合であるのなら、「前者」でもいいと思います。 しかし、「上達」を目的に指しているのなら「後者」を選ぶ方がいいです。

なぜ「後者」かというと、その「不安な手」が「いい手」なのか「悪い手」なのか知ることができるからです。
「前者」を選んでしまうとその試合で得るものは少なくなります。 そしてその選択を続けている限り、自分の指し手のレパートリーはほとんど増えません。

間違わないで欲しいのが、「最初から勝ちを諦める」ということではないということです。
チェスは常に「全力で勝利」を目的に指すべきで、そうしないと対戦相手に失礼です。
「失敗して負けてもいい!!」というのは「覚悟」を決めるための言葉で、心の底では「絶対に勝つ!!」と闘志を燃やすのです。

3. 対戦相手の「自分を苦しめた手」を覚える

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チェスの経験を積んでいくと分かるのですが、チェスにおける最も優れた教師は「自分を打ち負かした対戦相手」です。

対戦相手の「自分を苦しめた手」を知ることは以下のメリットがあります。

  • 対戦相手が自分にどんな手を仕掛けてくるのか予測しやすくなる。
  • 不利な局面を避けやすくなる。 (対戦相手が「自分を苦しめた手」を指せる局面はたいてい自分が不利な局面だから。)
  • 自分が経験した「自分を苦しめた手」を逆に対戦相手に仕掛けられるようになる。

初心者のうちは「同格の対戦相手から学ぶのはプライドが許さない!!」となりがちですが、強くなるには強さに対して「卑しく貪欲」になることが大切です。

4. 本や Webページで理論を学ぶ

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これはとてもオーソドックスな手法ですが、仕方ありません。
チェスはトレーディングカードゲームなど最近のゲームに比べて「個性が発揮しにくいゲーム」といえます。
言い換えると、「先輩たちが築き上げてきた理論を守らなければ戦えないゲーム」ということです。

ただ・・・チェスの理論を学ぶにはどうしても「英語」が必要になります。

実は僕は元々英語が得意ではありませんでした。 しかし、チェスのことをどうしても知りたくて洋書のチェスの本を買い、辞書をチマチマめくりながら、それこそ 1日に 2ページくらいのペースで読んでいました。
数ヶ月ほどすると読むペースが上がり、1年か 2年ほどで「英語の読み書き」ができるほどになりました。
おかげで今、僕のオープンソースのチェスエンジン「Sayuri」に関して、外国人とメールのやり取りができるようになりました。
なので、英語の勉強も兼ねて本や Webページなどで理論を学んでみてはいかがでしょうか。

どうしても日本語でないと困るなら、初心者向けではありますが以下の本があります。

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ちなみに「Metalphaeton チェス戦記」では以下の記事を掲載しています。 ご参考下さい。

5. タクティクスパズルを解く

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将棋と違って、チェスでは「読みの力」を向上させるのに「詰めチェス(プロブレム)」を解くことはほとんどありません。
普通は「タクティクスパズル」という問題を解いて「読みの力」を鍛えます。

「タクティクスパズル」とは、提示された局面の続きを答える問題です。
何が主題なのかは教えてくれません。 自分で局面を見て、「何を解くべきか」を判断するのです。

難しいパズルにはフェイクもあります。
「これを解くのかなぁ・・・」と見せかけて実は「別のところにある真の問題を解く」などです。

これら「タクティクスパズル」が上手くなると、「上手くいく手順」「失敗する手順」「相手の応手」などを読む力が上達していきます。

「タクティクスパズル」のサービスを提供しているサイトをいくつか紹介します。

6. YouTube などでチェスの実況動画を見る

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上級者の棋譜を見る最も有効な方法は「チェスの実況動画」を見ることです。
実況動画はベテランプレイヤーの実況主が指しながら解説しているのでとても勉強になります。

ただし、チェスの動画を上げているのは外国人なので、実況主は「英語」で話します。
しかしチェスの場合は英語をそれほど聞き取れる必要はありません。 動画内の「マウスカーソルの位置・動き」と「実況主の感情」を感じ取れれば十分です。
あえて言うと、聞き取れると便利な言葉は、

  • 「ホワイト」「ブラック」や「ポーン」「ナイト」などの色や駒の名前。
  • 「e4」「h3」などマスの名前。
  • 「フォーク」「ピン」「スキュワー」などの技の名前。
  • 「キャスリング」「コントロール」「デベロップ」などの理論に関する単語。
  • 「ゴー トゥ」「アタック」「プロテクト」などチェスでよく使われる簡単な動詞。

です。

あとは「オゥ、ノー!!」とか「ガッデム ポーン!! (怒)」とか「クイーン イズ デッド!! (泣)」とか聞き取れると面白いと思います。

なお、僕がよく見る有名なチェスの実況主は、

です。 ブリッツの動画はとても面白いです。

7. Chessgames.com の Opening Explorer でオープニングを研究する

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ある意味、チェスで最も難しい局面は「初期配置」です。
予め知っておかないと酷い目に合う手順というものがいくつかあります。
実際にそれらの手順で酷い目にあった時、「どうすれば酷い目に合わずにすむか」を知る必要があります。 そんなとき役に立つのが Chessgames.com の Opening Explorer です。

Chessgames.com は古今東西のチェスの棋譜が集められたデータベースサイトです。
Opening Explorer はその膨大な棋譜データから、序盤によく指される指し手を各局面ごとにランキング形式で表示してくれます。

こういうサイトでオープニングの手順を研究することで「数手で酷い目に合う・・・(泣)」といったことが起こりにくくなります。


まとめ

7つの方法をまとめると、

です。 (目次のコピペ!?)

とりあえずネット等で対局してみて、負けたら上記の方法で勉強すると上達すると思います。

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