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『いちゃLove❤チェス漫才!!』とは、様々なチェスの対戦棋譜を自作チェスエンジン「Sayuri」と一緒に漫才形式で解説する記事です。
チェスエンジンを擬人化したキモい記事ですが、生温か〜い目でご覧ください。

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ゲーム

今回はニンテンドースイッチ「銀星チェス」の最高レベル (レベル 7) との対戦です。


解説 & 漫才


「今回はニンテンドースイッチの「銀星チェス」の紹介だよ!」

Sayuri
「家庭用ゲーム機のチェスはついに「銀星チェス」だけになってしまったどす・・・・・・。」

Stockfish先生
日本のチェス人気のなさに悲しくなってしまうのじゃ・・・・・・。」


「「銀星チェス」以外で、Wii では「通信対局ワールドチェス」があったし、3DS では DSiウェアで「atチェス チャレンジスピリッツ」ってのがあった。
で、僕は今まで「銀星チェス」はずっと避けていたんだ。」

Sayuri
「なぜどす?」


「「銀星チェス」を避けていた理由は・・・

  • 駒のアイコンが嫌い。 特にビショップ。
  • 手数の数え方が将棋流。 (チェスの 1手 = 将棋の 2手)
  • 見た目が安っぽい。

・・・ってな感じ。
「銀星将棋」や「銀星囲碁」と比較すると「チェスをナメてる」って感じがして嫌だったんだよ。」

Sayuri
「そういえばあんさんは 3DS で「銀星囲碁」をやっていたどすな。」


「3DS の「銀星囲碁」は良かった。
なんてったって「表情豊かな 3DCG 美少女」と対戦できたからな。」

Sayuri
あの丸っこいキャラが「美少女」どすか・・・さすが「Hentai 3D 愛好家」どすな。」


「フッ、まぁな。
でもまぁ食わず嫌いもアレなんで、ちょっと買って遊んでみたんだ。」

Sayuri
「で、どんなゲームどすか?」


「じゃあ、ザザッと説明するね。
「銀星チェス」の遊べるゲームモードは 2つ。
「COM 対局」「2P 対局」だ。
「COM 対局」はコンピュータと戦うモード。
「2P 対局」は2つのコントローラーを使って人同士が対戦するモード。
で、「COM 対局」のコンピュータの強さはレベル 1 からレベル 7 までの 7 段階。
レベルごとの違いは・・・

レベル 思考時間
1 ノータイム
2 1秒未満
3 1秒未満
4 約 1秒
5 約 4秒
6 約 8秒
7 約 15秒

・・・ってな感じ。
「COM 対局」「2P 対局」ともにプレイヤーの時間制限はなし。 思考時間は計測されるけどね。」

Sayuri
コンピュータの強さを説明しろどす。」


「「レベル 1」はランダムな指し手を指してくる感じだな。 まさに「最弱レベル」だ。
問題は次の「レベル 2」で、突然アホみたいに強くなる。
ハッキリ言って初心者や初級者は絶対に勝てない強さだ。」

Sayuri
「そのようどすな。
あんさん、「レベル 2」に初戦で負けて思わず「なんでやねん!」とか叫んでたどすな。」


「ナメプしたとはいえ、「レベル 2」に負けた時、自分のプライドがズタズタに八つ裂きにされてしまった。
リベンジして勝った時は、画面に向かって「ザマァ見ろ! チョーシこいてんじゃねーぞ! クソ雑魚が!」とか言って中指立ててしまった。

Sayuri
ずいぶんゲームを楽しんでいるみたいどすな。」


「とりあえず一通り、本気で全レベルと戦った結果はこんな感じだ。」

レベル 勝敗
1 勝ち
2 勝ち
3 勝ち
4 勝ち
5 負け
6 負け
7 引き分け

Sayuri
「最強の「レベル 7」で引き分けたどすか?」


「うん。
「レベル 5」と「レベル 6」で負けた僕が言うのも何だけど、「銀星チェス」のエンジンはあまり強くない。
駒が少なくなってくるとメチャクチャ強くなるが、駒の多い序盤や中盤ではヌルい手が多かった。
どうも「駒の交換」をすごく嫌がる感じだったなぁ。
そのおかげで何度もピンチを逃れられた。」

Sayuri
クセの強いエンジンみたいどすな。」


「「クセ」は強いねぇ。
こちらが初手 e4 を指すと必ず「Scandinavian Defense」を仕掛けてくる。
きっと評価関数に「クイーンの早すぎる始動のペナルティ」がないんだろう。
クイーンが動くと「モビリティ」が一気に上がるから、そういうペナルティがないと Scandinavian でクイーンをさっさと動かそうとしてしまう。
Sayuri は「初期配置にいるマイナーピースの数」でペナルティを設定している。
「銀星チェス」にはそういう工夫がないんだろ。」

Sayuri
「ん? 「オープニングブック」はないどすか?」


「ないよ。 初手からいきなり思考してきた。
「オープニングブック」が実装されていればランダムでいろんなオープニングを指してくるけど、ないから序盤はワンパターン。
つまりこのソフトでいろんなオープニングの練習はできないってことだ。」

Sayuri
「ちょっと残念どす。」


「まぁ、600円の激安ソフトだから「値段相応」だね。
ってことで、そろそろゲームの解説をするよ。
解説するのは最強レベルの「レベル 7」で僕が引き分けたゲームだよ。」

Stockfish先生
「やっとワシのセリフじゃな。
では解説じゃ。 「Ply 2 : d5」で Scandinavian Defense じゃ。」

1...d5
ply_2


「さっきも言ったけど、初手 e4 を指すと必ずこうなる。
まぁ、レベル 1 は指し手がランダムだから違ったけどね。」

Stockfish先生
「「Ply 9 : Bf3」でちょっとストップじゃ。」

5.Bf3
ply_9


「レベル 5」以上は全てここまで同じ手順だった。
相手はクイーンを 3回も動かして、僕はマイナーピースを 2つ展開している。
きっと評価関数を設計した人はチェスの基本を知らないんだと思う。
最強レベルなのに Scandinavian の使い方は初級者レベルだ。」

Stockfish先生
「「Ply 12 : c5」は、ワシ的には良くない手じゃ。」

6...c5
ply_12


「Stockfish先生の評価値で 110 cp ほど白が有利になった。
僕も正直「そんなことする暇があるならナイト出せや」とか思ったし。
ただし、「銀星チェス」はポーンによるセンターコントロールが得意みたいで、なかなかポーンのバリケードが壊れないんだ。」

Stockfish先生
「「Ply 27 : b3」じゃが、もっといい手があったのじゃ。」

14.b3
ply_27


「Stockfish先生的には、ここは「Nc4」だったみたい。」

14.Nc4
ply_27_1


「f3 の白ビショップが間接的に a1 の黒ルークを攻めていて、d6 の位置に白ナイトが飛べば黒キングをチェックできる。
白のポテンシャルを上げるいい手だ。」

Stockfish先生
「「Ply 29 : Qc2」と、クイーンで d3 の白ポーンを守ったのじゃ。」

15.Qc2
ply_29


「c ポーンを上げたくなかったんだよ。 黒ナイトが d4 に飛んでくるからね。
でも、ここは「Nc4」が正解だったみたい。」

Stockfish先生
「しかし、なんだかんだで「Ply 33 : c4」と、c ポーンを上げるハメになってしまったのじゃ。」

17.c4
ply_33


「ホント、コンピュータのこういう所が「ソフト指し」っぽくてムカつく。
一見すると刹那的な駒の配置がなぜか次々と繋がる「変態タクティクス」。
そして案の定「Ply 34 : Nd4」と黒ナイトが飛んでくる。

17...Nd4
ply_34


「白はもう缶詰状態。

Stockfish先生
「しかしその後「Ply 38 : Qf5」で白にとってラッキーな展開になったのじゃ。」

19...Qf5
ply_38


「何が「ラッキー」かと言うと、僕的に恐れていた展開は・・・・・・」

19...Nxe4
ply_38_1

20.dxe4
ply_39_1


「・・・で、この局面の何が恐いかって言うと・・・

  • d4 にいる黒ナイトが強力すぎる。
  • d4 にいる黒ナイトを取ると、黒ポーンで取り返され、それが「プロテクテッド・パスポーン」になる。

・・・ってところ。
でも、相手が駒の交換を嫌がってくれたおかげで助かった。」

Sayuri
人間でも分かる最善手に気付かなかったどすか・・・・・・。」


「きっと「パスポーン」「プロテクテッド・パスポーン」を評価関数で評価していないんだと思う。
「銀星チェス」を作った人は間違いなくチェスの基本を知らない。
日本の任天堂ゲーム機のチェスがこんなモノしかなくなったことが悲しい。」

Sayuri
「せめて「atチェス チャレンジスピリッツ」みたいに、娯楽性のあるゲームなら良かったどすな。」


「そう、それな。
チェスのこと知らなくてもいいから、せめて「atチェス チャレンジスピリッツ」みたいに「美少女」を出してほしい。」

Sayuri
「うちは「チャレンジモード」のことを言っていたどすが・・・・・・。」


「はぁ? 何言ってんだ?
「atチェス チャレンジスピリッツ」の醍醐味は「美少女」だろ。
「今、オレは可愛い女の子とチェスをやってるんだ」って想像が楽しいんだよ。」

Sayuri
「気持ち悪いどすな。」


「(ほわわわわわ・・・) 今、僕の目の前に女の子がいる・・・真剣にボードを見つめる栗色の瞳・・・艶めくピンク色の唇・・・小さく膨らむ愛らしい小鼻・・・シャンプーの香りのする長い髪・・・ボードの向こうから仄かに感じる体温・・・想像しただけで・・・ゲヘ、ゲヘヘ・・・・・・❤

Sayuri
「ヒィッ!
今のあんさんの目! ストーカーの目どす! 性犯罪者の目どす!」


ゲヘヘ❤

Stockfish先生
「気を取り直して解説じゃ。
「Ply 49 : Bxf5」「Ply 50 : Qxf5」で、黒の「グッドビショップ」と白の「バッドビショップ」を交換じゃ。」

ply_48

25.Bxf5
ply_49

25...Qxf5
ply_50


「おかげで僕の方がわずかに優勢になった。
きっと評価関数が「バッドビショップ」や「グッドビショップ」を評価していないんだろうな・・・・・・(悲)」

Stockfish先生
「局面が進み、「Ply 81 : Rh1」以降は局面が動かなくなり、3回繰り返しで引き分けじゃ。」

41.Rh1
ply_81


「局面が動かないと言うより、僕が動かさなかった。
「レベル 5」と「レベル 6」で負けていたので、「引き分けなら上等かな?」と思って引き分けにした。
今思えば e4 のルークを下に下げて使えば、何かできたかもしれない。」

Sayuri
「ただ単に「負けるのが怖くなった」ってだけどすな。」


「だってこのソフト、駒が少なくなるとアホみたいに強くなるんだもん!
「レベル 5」と「レベル 6」のときなんか中盤まで僕が優勢だったんだぞ!
人間相手なら押し切って勝てたのに、コンピュータならではの異常な先読みでボコられたんだよ!
ホントだもん! 嘘じゃないもん!」

Sayuri
「まるで子供の言い訳どすな。」


「ともかく、「銀星チェス」は本格的なエンジンじゃないので、人間の頭脳で全レベル制覇するのも十分可能ってことだ。
僕くらいの中級者なら丁度いいかもしれない。
あと、600円で超安い。」

Sayuri
「そういえばあんさんのスイッチ、1000円以下のソフトしか入ってないどすな。」


「最近スイッチ買ったばかりだからな。 まだ有名タイトル買えるだけの経済的余裕がないんだよ。
それに 1000円以下でも面白いものはあるんだぞ。
中でもすごく良かったのは、サウンドノベルの「Dear My Abyss」ってやつだ。
クトゥルフ神話系の物語で、ボリュームたっぷりのすごく美しく感動的な物語だった。」

Sayuri
「あんさん、そのゲームで徹夜していたどすな。」


「物語の続きが気になりすぎて寝られなかったんだよ。
散りばめられた謎、襲い来る恐怖、美しき夢の世界、胸を打つ人間ドラマ・・・僕にとって近年稀にみる神ゲーだった。
僕はこのゲームに出会うためにスイッチを買ったのかもしれない。

Sayuri
「何を言ってるどす。
あんさんは「DEAD OR ALIVE Xtreme 3 Scarlet」がやりたくてスイッチを買ったどす。」


「コラ! 勝手に僕の頭の中を晒すんじゃない!
いいか、僕が DOAX3 を買おうとしているのは、決して「エッチなこと」が目的なのではないのだよ。

Sayuri
「あのゲームに「エッチなこと」以外に何があるどす。」


「僕は常夏の島で爽やかな汗を流すのを疑似体験したくて DOAX3 を買うんだよ。
日本では味わえない仮想空間での夏休みが僕の目的なんだ。」

Sayuri
「なら「Go Vacation」でいいじゃないどすか。」


「くっ! あー言えばこー言う・・・・・・。
あのなぁ! 人工知能のお前には分からないかもしれないが、人類にとって「DOAX3 をプレイする」ということは「数学的問題の研究」でもあるんだ!」

Sayuri
「何を訳の分からないことを・・・あのゲームにどんな「数学的問題」があるというどすか?」


「ローズ体の最小面積問題」といってだな、「ローズ体」の表面積に対する「ファイバー製 2次元多様体」の面積が「観測者 A」から見ても「観測者 B」から見ても等しく効率的で最小となる座標と面積を問う問題だ。
21世紀に入ってから長らく議論されている問題だが、まだ解が見つかっていない。
だから我々のような「その分野の専門家」が DOAX3 を使って研究を・・・・・・」

Sayuri
「つまり萌え豚どもが「マリー・ローズのマイクロビキニ」を見たいだけどすか。
ガッカリどす。」

Stockfish先生
「難しいことは考えず、「ボインボイン❤」「プリンプリン❤」を楽しむのじゃ!」

一同
「ははははは!」

ナレーション
家庭用ゲーム機に「将棋」「囲碁」「オセロ」「麻雀」はたくさんあるのに「チェス」がほとんどないという現実に悲しみを覚えながらも、今日も和やかに人工知能達の宴が終わるのであった・・・・・・次回、乞うご期待!!

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