『いちゃLove❤チェス漫才!!』とは、様々なチェスの対戦棋譜を自作チェスエンジン「Sayuri」と一緒に漫才形式で解説する記事です。
チェスエンジンを擬人化したキモい記事ですが、生温か〜い目でご覧ください。
(モバイルユーザのために「オリンピアード 2018 SP」はチェスビューアじゃなく画像で紹介します!)
解説 & 漫才
僕
「祝! オリンピアード 2018!・・・ってなわけで、今回からしばらく「第43回 チェス・オリンピアード バトゥミ 2018」の特集漫才をやるよ!
もちろん特集するのは日本チームだよ!」
Sayuri
「チェスビューアはなしどすか。」
僕
「せっかくのお祭りだからモバイルユーザーにも楽しんでもらおうと思った。」
Stockfish先生
「ブログのページビュー数の半分以上がスマホだからじゃな。」
僕
「その通り!
さぁ、僕の 「Inkscape」捌きをとくと見よ!」
Sayuri
「Adobe 製品を買えない貧乏人どすな。」
Stockfish先生
「貧乏だからデジ絵も「Gimp」で描いてるのじゃ。」
僕
「いーの! 意識高き Linux ユーザーは Adobe を使わないの!」
Sayuri
「分かったからオリンピアードに話を戻すどす。」
僕
「今回のオリンピアードの日本代表選手はこんな感じ。」
オープン | 女子 |
---|---|
小島慎也さん | 星野華怜さん |
南條遼介さん | 坂井あづみさん |
山田弘平さん | 小島なつみさん |
松尾朋彦さん | 柴田美咲さん |
大多和優斗さん | 星野美怜さん |
僕
「で、「オリンピアード SP」の第1回は「柴田美咲」さんのゲームを紹介するよ。」
Sayuri
「ほう、あんさんの好きな小島慎也さんのゲームじゃないどすか。」
僕
「小島慎也さんのゲームはご本人のブログのほうが詳しく分かる。
だから僕は他の選手のゲームを紹介していきたいんだよ。」
Sayuri
「間違った解説をして怒られるのが怖くて逃げたどすな。」
僕
「くっ・・・うるせぇ。 (図星)
それに柴田美咲さんはラウンド 1 のイスラエル戦でレーティング 500 以上の格上に勝利するっていうすごい試合をしたんだよ。
今回はどうしてもそれを紹介したいんだ。」
Sayuri
「じゃあやるどす。」
僕
「じゃあ初手から始めるよ。 柴田さんは黒番だよ。」
1.e4
1...e6
Stockfish先生
「French Defense じゃな。」
僕
「黒にとって堅くて反発力のあるオープニングだね。
で、この後も定跡は続く。」
2.d4
2...d5
3.Nd2
Stockfish先生
「これは French Defense の Tarrasch Variation じゃ。」
僕
「白がナイトを c3 じゃなく d2 に置いたのは、白ポーンを c3 に突くためだね。
d4 のポーンを守りながら、黒ビショップが b4 へ来るのを防いでいる。」
僕
「で、まだまだ定跡は続く。」
3...Nf6
4.e5
4...Nfd7
5.Bd3
5...c5
6.c3
6...Nc6
7.Ne2
7...cxd4
8.cxd4
Stockfish先生
「これは ECO の C06 にある Tarrasch Variation じゃな。」
僕
「何か d2 と e2 に白ナイトが並んでいるのが面白い。」
Sayuri
「何で f1 の白ナイトを f3 じゃなく e2 に置いたどすか?」
僕
「「Wikipedia」 によると d2 の白ナイトを f3 に置くためらしい。
確かにそうしないと c1 の白ビショップや白クイーンが活躍しづらいしね。」
8...Qb6
僕
「Chessgames.com での一番人気は「8...f6」なんだけど、黒は他の白ポーンでは守れない d4 の白ポーンを攻撃しに行った。」
Stockfish先生
「ワシの評価値では、この時白が一気に優勢になったのじゃ。」
僕
「黒クイーンがキングサイドへ助けに行けないってことかもしれない。
e2 の白ナイトが f3 に行ったら白の全てのマイナーピースが黒のキングサイドを攻撃できるようになる。
c8 の黒ビショップはバッドビショップだし、c6 の黒ナイトはキングサイドに向かおうとすると f8 の黒ビショップの通り道を塞いじゃう。
だから黒クイーンが d8 にいる状態で「8...f6」をして、キングサイドに駒を回しやすくする方が良かったのかもしれない。」
9.Nf3
9...f6
10.exf6
10...Nxf6
Stockfish先生
「ここで e5 の白ポーンを破壊してキングサイドに黒ナイトを回したのじゃ。」
僕
「うん。 でも「マイナーピースの展開や動きやすさ」と「キャスリングの準備」で黒が遅れを取っている。
やっぱりこれはさっき黒クイーンを動かした手がオープニングの遅れに繋がっているみたいだ。」
Sayuri
「さっきから素人のくせに日本代表をボロカスに言ってるどすな。
あんさん見てると大阪の居酒屋にいる阪神ファンの酔っ払いジジイを思い出すどす。」
僕
「かーーーーっ! なんであそこで金本は鳥谷を・・・・・・って、おいっ!
阪神ファンの阪神への愛と同じくらいチェス日本代表を愛してるってことだよ!
それにゲームの解説をする以上、ちょっと偉そうな態度になるのはしかたないんだよ!」
Sayuri
「そういうことにしておくどす。」
11.O-O
11...Bd6
僕
「ちょっとストップ。」
Sayuri
「何どすか?」
僕
「いや、棋譜を見ていてちょっと気になっちゃって・・・・・・。
このゲーム、持ち時間は「90|30 (持ち時間 90分 | 一手 30秒加算)」だ。
で、この時点で白の持ち時間は残り「79分 12秒」で黒の持ち時間は「91分 8秒」だ。」
Sayuri
「黒は増えているどすな。」
僕
「いや、いいんだけどね。 何も問題ないんだけどね。
ただ、黒番は「ラピッド」のノリでやっている気がする。
何ていうか僕の場合、「ラピッドのノリ」だと、「タクティクス」は読めても「ストラテジー」は読めないんだよ。
ジェレミー・シルマンさんのいうところの「インバランス」ってのがどう遷移していくのかが分からない。
最近特に思うんだけど、強い人と戦うと自分は特に悪い手を指していないのに、いつのまにか劣勢に追いやられている・・・ってことあるよね。
あれはたぶん強い人は「インバランスの動き」まで見えているからだと思う。
このゲームも白はレーティング 2151 の超実力者。
定跡手順にもかかわらず十分に時間をかけているのは「インバランスの動き」を読んでいるからなんじゃないのかなぁ。」
Sayuri
「あんさんの憶測どすな。」
僕
「うん。 本当に強い人がそういう考え方をしているかどうか分からない。
でもオンラインチェスで、レーティング 2000 オーバーの人は明らかに何かが違うんだよ。 僕とは違うものが見えている気がするんだよ。
で、自分には何が見えていないのかなぁ・・・って考えた結果、「インバランスの動き」なんじゃないかなぁ・・・って思っちゃったの。」
Sayuri
「散々偉そうに持論を語って、全くの的外れだったらこの記事は完全に黒歴史どすな。」
僕
「フッ、甘いな・・・・・・。
僕のブログに黒歴史じゃない記事など存在しない。」
Stockfish先生
「続けるのじゃ。」
12.a3
Stockfish先生
「ワシの評価値では黒は少し盛り返したのじゃ。」
僕
「Stockfish先生の最善手順を見てみると以下のような感じ。」
12.Bf4 (バリエーション)
12...Bxf4 (バリエーション)
13.Nxf4 (バリエーション)
13...O-O (バリエーション)
14.Re1 (バリエーション)
僕
「黒のキングサイドに白ナイトが 2つと 白ビショップ、白ルークが迫ってきている。
で、黒はキングサイドを助ける駒が少ない。
黒は d4 と b2 の白ポーンは取れそうだけど、きっとそれどころじゃない状況だと思う。
で、要するに、白はこの手順をやらなかったから黒の点数が上がったんだと思う。」
Stockfish先生
「「12.a3」という手はきっと c6 の黒ナイトが b4 に飛んで d3 のビショップを狙わせないためじゃな。」
僕
「たぶんそうだと思う。
白クイーンを c2 に置いて白ビショップとのバッテリーを組みたいんだと思う。」
12...O-O
13.b4
13...a6
14.Bg5
14...Bd7
15...Kh8
僕
「「15...Kh8」・・・なんだろう、これ・・・・・・?
g8 に黒ルークを置いて g ポーンを突く?・・・・・・いや、取られるなぁ。」
Stockfish先生
「まぁそんなに評価値は悪くないのじゃ。 気にしないのじゃ。」
16.Re1
16...Rae8
17.Bg3
Stockfish先生
「ワシの評価値が一気に黒優勢になったのじゃ。」
僕
「一見わからないけど悪手らしい。
どうやらコレ、白ルークが f1 にいないことが原因らしい。
先に進めば分かるけど、d4 の白ポーンが消えると f2 の位置がヤバくなるみたい。
そしてここから黒の逆転劇が始まる。」
17...Bxg3
18.hxg3
18...e5
19.Nxe5
Stockfish先生
「一見わからないのじゃが、ブランダーじゃ。」
僕
「なぜ「ブランダー」なのかはもう少し進めば分かるよ。」
19...Nxe5
20.dxe5
20...Ng4
21.Rf1
僕
「これで「3手 (5半手) 詰め」。 手順はこんな感じ。」
21...Qh6 (バリエーション)
22.Re1 (バリエーション)
22...Qh2+ (バリエーション)
23.Kf1 (バリエーション)
23...Ne3# (バリエーション)
Stockfish先生
「最後の「23...Ne3#」はちょっと読みづらいのじゃ。」
僕
「うん。 だから実際は少し遠回りしたみたい。」
21...Nxf2
22.Rxf2
22...Qxf2
23.Kh2
23...Rxe5
24.Ng1
24...Rg5
25.Qe1
25...Rh5+
26.Nh3
26...Rxh3#
僕
「レーティング 500 以上差のある格上相手に見事な大勝利!
相手がミスしたのは柴田さんが相手をミスしやすい状況に追い込んだからに他ならない。
実力でもぎ取った勝利だね!」
Sayuri
「前半は散々ボロッカスに言っといて、最後だけ調子のいいこと言うどすな。」
僕
「それが「世渡り」というものだよ。 人工知能のお前達には分かるまい。」
Sayuri
「まぁいいどす。
で、今回はたまたま 26手 (52半手) でゲームが終了したからいいどすが、チェスは普通、この倍くらい手数がかかるどす。」
僕
「だから?」
Sayuri
「気付いてないどすか?
あんさんは今から 60枚近くの局面の画像を作ることになるどす。
もしこれが倍の手数のゲームならどうなるか分かるどすな?」
僕
「えーと・・・ひー、ふー、みー・・・・・・げっ! 120枚!
やべぇ、この企画、失敗かもしれない・・・・・・。」
Stockfish先生
「元画像は SVG じゃろ?
だったらプログラマーらしく自動生成スクリプトを作ったらどうじゃ。」
僕
「うぅ・・・ちょっと研究してみる・・・・・・。」
Sayuri
「研究に時間をかけてる暇あるどすか?
あんさん、ルール解説ラブコメの最終話のイラストがあんまりできてないどすが、来週に間に合うどすか?」
僕
「うぅ・・・一週間伸びるかもしれない・・・・・・。」
Sayuri
「投稿用の漫画はどうするどすか? 今週のノルマ達成してないどすが?」
僕
「うぅ・・・うぅうううううううう、ドッカーーーーン!!
いいだろ! 全部「趣味」なんだから! 間に合わなくても誰も気にしねぇよ!」
Sayuri
「誰かが気にするかどうかじゃないどす。 自分自身の問題どす。
「趣味」すらろくにこなせないようじゃ何やってもダメどす。」
僕
「ファ〇ク! 言い返せねぇ!
くそぉおおおお! どれもこれも全てモンハンのせいだぁああああ!
何であのゲームは時間をドンドン溶かしていきやがるんだぁああああ!」
Sayuri
「しばらくモンハンやめたらどうどすか?」
僕
「そ、そうだな! モンハンはソロゲーだから逃げたりはしない!
「モン禁」しよう! 「モン禁」!」
Sayuri
「そういえばモンハンの PC版は 10月 5日から「アステラ祭」どすな。
受付嬢の「ハロウィーン仮装」やら「イベントクエスト」が盛り沢山どす。」
僕
「うわぁああああああああああああああああ!
よし! こうなったら魔法で体を 2つにしてモンハンと絵と分担しよう!
まじかるかるかれしうぼのうほま! 体よ! 2つになれ!
よし! 成功した!
おい! お前は絵を描け! 僕はモンハンをやる!」
僕
「いやいや、君こそ絵を描きなよ。 僕が「アステラ祭」を堪能するからさ。」
僕
「何言ってんだ! それじゃあ意味ないだろ!
僕は受付嬢のコスプレを見なきゃいけないんだ!」
僕
「そんな重大な仕事は僕に任せたまえ。 君はのんびり絵を描くといい。」
僕
「もーっ! 何でこうなっちゃうんだよっ!」
Sayuri
「当然の結果どす。」
Stockfish先生
「ワシは魔法で巨乳美女になりたいのじゃ。」
一同
「ははははは!」
ナレーション
世界中の国の代表が集まるオリンピアード、あのカルアナ・ファビアノさんやヴィスワナザン・アナンドさん達と同じ大会に日本の選手が参加しているって思うと感無量! ・・・って思いつつも、今日も和やかに人工知能達の宴が終わるのであった・・・・・・次回、乞うご期待!!