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「チェスのルールでアフタースクール❤」
チェスの入門者のための、漫才風「チェスのルール解説」ラブコメディ!

人物紹介

百合園・九音 (ユリゾノ・クイン)

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  • 名前は「百合園九院 (ユリゾノ・クイン)」
  • 高校2年生。 帰宅部。
  • 超プライドが高くて友達ゼロ。
  • チェスが大好き。 かなり強い。
  • 夢は日本史上初のグランドマスター。
  • 勉強は平均よりちょい下。 運動神経、皆無。
  • ナイトとは小学校入学時からの家族ぐるみの付き合い。

柚木・菜偉人 (ユズキ・ナイト)

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  • 名前は「柚木菜偉人 (ユズキ・ナイト)」
  • 高校2年生。 サッカー部。
  • 超気さくで人気者。 女子からもモテモテ。
  • 成績は学年トップでサッカー部のキャプテン。
  • クインが大好きで、将来の夢はクインのお婿さん。
  • 元々病弱少年だったが、クインの強さに憧れて強くなっていった。
  • クインとは小学校入学時からの家族ぐるみの付き合い。

第13話 3回繰り返しでアフタースクール❤

ナレーション
いよいよ残すところあと 2回。 今回は「3回繰り返し」について解説するみたいだね。
思い出話も一段落ついて将来について語り合うみたいだけど・・・・・・はてさて、どうなることやら。

ナイト
「なんだかいろんなことがあったね。」

クイン
「うん・・・・・・。」

ナイト
「どうしたの? 急に落ち込んじゃって。」

クイン
「何でもない。」

ナイト
「?」

クイン
「じゃあ、最後のチェスのルール「3回繰り返し」について説明するよ!」

ナイト
「う、うん・・・・・・。」

クイン
「「3回繰り返し」は、そのゲームで同じ局面が 3回現れるとそのゲームを引き分けとして終了することができるってルールだよ。」

ナイト
「「引き分けとして終了することができる」ってのは、「50手ルール」のときにもあった、「引き分け申請」をすれば相手の承諾なしにゲームを引き分けにしちゃえるやつ?」

クイン
「そうだよ。」

ナイト
「でも、同じ局面が何回あったかなんて覚えられないよ・・・・・・。」

クイン
「それは大丈夫。
同じ局面が現れる状況ってのはたいてい、両プレイヤーが同じ駒を同じ場所で行ったり来たりと往復させている状況だから。
こんな風に両者が「行って、帰って、行って、帰って」と 2往復したら「3回繰り返し」になるよ。」

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ナイト
「ホントだ。 なんだか二人とも手詰まりで困っているみたいに見える。」

クイン
「そうだね。
だからオンラインチェスでお互い勝負が突きそうにない時、「引き分け申請」の代わりに使えたりするんだよ。」

ナイト
「「代わり」? オンラインチェスって「引き分け申請」できないの?」

クイン
「できるよ。 できるけど無駄。
どうしてもやりたいなら「チャット機能」は「オフ」にしておかないとダメだよ。」

ナイト
「どういうこと?」

クイン
「オンラインチェスでは「引き分け申請」は「負けそうな奴の悪あがき」って解釈されるんだよ。
だから「引き分け申請」すると「拒否」された上、「loser! go home!」とか「looooserrrr」とか、思いっきり煽られる。」

ナイト
「うわぁ・・・・・・。」

クイン
「だから同じ手を繰り返して引き分けに持ち込もうとするといいんだよ。
それに場合によってはワンチャンあるしね。」

ナイト
「ワンチャン?」

クイン
「うん。
実は「3回繰り返し」を「引き分け申請」の代わりに使う方法も、相手によっては「負けそうな奴の悪あがき」って解釈されるんだけど、なぜか普通の「引き分け申請」の時と相手の態度が違うんだよ。」

ナイト
「どんなふうに?」

クイン
「普通の「引き分け申請」は、チャットで煽ってきた上に堅実な手を指してきて局面が動かないことが多い。
でも「3回繰り返し」を使った場合は、なぜか煽られることがないし、相手は長考して、無理に勝とうと無茶な手を指してくることがよくあるんだ。
その手を咎めてこっちが勝つ・・・なんてことができちゃう。」

ナイト
「それって「頭脳スポーツ」というより「心理バトル」じゃん・・・・・・。」

クイン
「そうだね。
まぁ、「心理バトル」は高レーティング相手には全く通用しないけどね。」

ナイト
「ふーん、いろいろ奥が深いんだなぁ。」

クイン
「とりあえずチェスのルールはこれくらいかな。」

ナイト
「うーん、たくさんあったような、意外と少ないような・・・・・・。」

クイン
「まぁ、ルール以外のこともいろいろ話しちゃったからね。」

ナイト
「でも、やっぱりクーちゃんは凄いね!
ルールだけじゃなく、いろんなこと勉強できちゃったよ!」

クイン
「でしょ!」

ナイト
「もしかしてクーちゃん、将来はプロのチェスプレイヤーになるの?」

クイン
「日本にチェスのプロ制度はないよ。」

クイン
「でもチェスのサークルのある大学に行ってもっと修行して、国際トーナメントのプレイヤーになりたいな。」

ナイト
「きっとなれるよ! 目指せ! 世界チャンピオン!」

クイン
「ははは・・・無知って怖い・・・・・・。」

ナイト
「僕も頑張ってプロのサッカー選手にならなきゃ!
クーちゃんと同じくらい強くなって、そして・・・・・・」

クイン
「無理だよ。」

ナイト
「えっ?」

クイン
「あんたには無理。 あんたはプロのサッカー選手になれない。」

ナイト
「どうしてそんなこと言うんだよ。」

クイン
「・・・・・・・・・・・・。」

ナイト
「僕だって毎日たくさんサッカーの練習して頑張ってるんだ!
クーちゃんがチェスに本気なくらい、僕もサッカーに本気なんだ!」

クイン
「・・・・・・・・・・・・。」

ナイト
「確かに小さい頃は体が弱かったけど、すごくたくさん鍛えてキャプテンになれるくらい強くなったんだ!
なのに何でクーちゃんは僕を認めてくれないの!」

クイン
「だってあんたは・・・・・・」

ナイト
「僕はもっと強くなって! クーちゃんと同じくらい強くなって! そして・・・
僕はクーちゃんと結婚するんだ!!

クイン
「ううっ・・・・・・(涙)」

ナイト
「クーちゃん?」

クイン
「だから無理だっていってるだろ!! あんたはもうサッカーはできない!!」

ナイト
「だから何でだよ!!」

クイン
「だって・・・・・・!!
だってあんたはもう死んでるんだから!!

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ナレーション
えっ!? どういうこと!?
次回は最終回、ここにいるナイトは何者?・・・・・・はてさて、どうなることやら。

(つづく : 第14話 (最終話) 最後は握手でアフタースクール❤)

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