MetalPhaetonチェス戦記

オープニングばあちゃん
「さて私、オープニングばあちゃんのオープニング講座でも始めようかねぇ。」

わんぱく君
「オレはチェスとヤンチャが大好きわんぱく君だぜ! よろしくだぜ!」

オープニング講座

オープニングばあちゃん
「さぁて、今回紹介するオープニングは「フィリドール・ディフェンス」だよ。」

わんぱく君
「「フィリドール」ってのは 18世紀のチェスプレイヤーの名前だぜ!
18世紀といえば「産業革命」、「産業革命」といえば「蒸気機関」、「蒸気機関」といえば「スチームパンク」、「スチームパンク」といえば「サクラ大戦」だぜ!
「サクラ大戦」はブログ主の人生初ギャルゲーだぜ!
それまでは「はぁ? ギャルゲーなんてゲームじゃねぇよ。 あんなのミニゲーム付き紙芝居じゃねぇか。」とか硬派オタクぶっていたのに、「アイリスちゅわぁああああん❤ お兄ちゃんだよぉおおおお❤」と「理性のリミッター」をブッ壊してしまった伝説のゲームだぜ。
だから今回紹介するオープニングは別名「走って高速! 唸って衝撃! フィリドール華撃団! ディフェンス」だぜ!」

オープニングばあちゃん
「もはや若い世代にはサッパリ分からないギャルゲーをチェスのオープニング名にしてしまうような子は、最近の日本のギャルゲーの絵柄に全く色気を感じないオジさん感覚にして、微妙に芋臭い海外の Weeaboo ゲームでしか興奮できない体にしてやろうかねぇ。」

わんぱく君
「や、やめてよぉ! おばあちゃん! (ガクガク・・・)」

オープニングばあちゃん
「今回紹介する「フィリドール・ディフェンス」はオンラインチェスでも意外とよく出くわすオープニングだねぇ。 さっそく紹介しようかねぇ。」

わんぱく君
「こういうのもなんだけど、「フィリドール・ディフェンス」ってルールを覚えたての初心者がやりそうなオープニングっぽくてカッコ悪いぜ。
「2...d6」って「2...Nc6」を知らない人が e5 のポーンを守るためにやってる雰囲気がしてダサいぜ。」

オープニングばあちゃん
「でも、むしろ「初心者っぽくてダサい」って言っている方が「脱・初心者」っぽくてダサい気がするねぇ。
ワサビ入りの寿司を食べられるようになってから、「お前が食ってんのはワサビだよ」っていえるくらいワサビを入れて寿司を食べる中学生くらいのダサさだねぇ。
フィリドール・ディフェンスは十分に強いオープニングだよ。
2...Nc6 とはまた違った流れになるから、色んなゲームを楽しみたいならやってみるのがお薦めだねぇ。」

わんぱく君
「じゃあ、この次はどう指すんだぜ?」

オープニングばあちゃん
「この次は「3.d4」の一手だねぇ。」

オープニングばあちゃん
「Chessgames.com のオープニングエクスプローラでも、フィリドール・ディフェンスのほぼ全てのゲームはこの手を指しているねぇ。 でも「3.Bc4」もいい手だからオンラインチェスでやってみるのも面白いかもねぇ。」

わんぱく君
「で、「3.d4」だったとして、黒はその白ポーンを取っていいの? だぜ?」

オープニングばあちゃん
「普通は取るねぇ。
取らないバリエーションは後で説明するとして、最も人気の手順を紹介するよ。」

オープニングばあちゃん
「と、こんな感じで進行するねぇ。
黒はこの後「Be7」「Nf6」してから「O-O」とキャスリングを狙う感じかねぇ。」

オープニングばあちゃん
「あと、黒が白ポーンを「3...exd4」と取った後、白がナイトで取り返さずクイーンで取り返す手順もあるよ。」

オープニングばあちゃん
「とまぁ、長かったけどこんな感じかねぇ。」

わんぱく君
「ZZZzzz・・・ムニャムニャ・・・銀杏の季節だなぁ・・・公園を見るとおばさんが落ちている銀杏の種を足で器用に取り出して拾っていたけど、あれは柔らかい部分が手に触れると手にニオイが付くからだよなぁ・・・・・・「熟女の足フェチ」にはたまらんなぁ・・・ムニャムニャ(居眠り)」

オープニングばあちゃん
「のんびりとした秋のノスタルジックな景色を「足フェチ」などという下品な言葉で汚してしまう夢を見るような子は、銀杏の柔らかい部分を鼻の穴につめ、下水道の中でクサヤを食べさせながら深呼吸させてやろうかねぇ。」

わんぱく君
「はっ! (目覚め)
や、やめてよぉ! おばあちゃん! (ガクガク・・・)」

オープニングばあちゃん
「とりあえずフィリドール・ディフェンスの基本的な手順はこんなものだねぇ。」

わんぱく君
「ちょっと待つぜ。
白が「3.d4」としたあと黒が「3...exd4」と取ったけど、取らずに「3.Nc6」なんてのをしたらどうするんだぜ?」

オープニングばあちゃん
「確かにそれは覚えておいた方がいい手順だねぇ。
その時白は「4.dxe5」とポーンを取っちゃうよ。」

わんぱく君
「ふーん。 だぜーん。
オレはてっきり「3.d5」と進んでくるかと思ったぜ。」

オープニングばあちゃん
「まぁ、それでもいいんだけど、取ったほうがちょっとだけ白が良くなるんだよ。
「4.exd5」の続きからやるよ。
先ずそのポーンを「4...Nxe5」とナイトで取った場合だよ。」

わんぱく君
「あっ、黒がキャスリングできなくなったぜ。」

オープニングばあちゃん
「そうだねぇ。
ただし、お互いクイーンを交換してしまったから、キャスリングできないことはそれほど不利ってわけじゃないんだねぇ。
でも白はキャスリングしてすぐにルークを活用できるけど、黒はちょっと手間取っちゃう感じだねぇ。」

わんぱく君
「じゃあ、ちょっと戻るけど、「4...Nxe5」とナイトで取るんじゃなくて、「4...dxe5」とポーンで取った場合はどうなるんだぜ?」

オープニングばあちゃん
「その時も黒はキャスリングができなくなるよ。
「4.d4」の続きだよ。」

わんぱく君
「だーかーらー! だーぜーぜー! 黒キングで取るんじゃなくて、黒ナイトで取っちゃったらどうなるかって言いたかったんだぜ!」

オープニングばあちゃん
「それは明らかに白がポーン 1個得しちゃうねぇ。」

わんぱく君
「あっ、そっか。 だぜ。
だったら、もっともっと戻って、白が「3.d4」とポーンをぶつけてきたあと、「3...Nd7」って守ったらどうなるんだぜ?」

オープニングばあちゃん
「それは「ハンハム・バリエーション」ってやつだねぇ。
続きはこんな感じになるよ。」

わんぱく君
「なんかちょっと黒が遅れている感じがするぜ。」

オープニングばあちゃん
「ハンハム・バリエーションは Stockfish の分析だと互角なんだけど、Chessgames.com の勝率を見ると・・・

• 白の勝ち : 54.0 %
• 黒の勝ち : 27.1 %
• 引き分け : 18.9 %

・・・ってなっていて、人間的には戦いにくいオープニングなのかもしれないねぇ。」

わんぱく君
「くそぉっ! 何でオレは人間なんかに生まれてしまったんだぜ!
コンピュータとして生まれていればハンハム・バリエーションを使いこなせていたのに! だぜ!
ちっくしょぉおおおお! だぜょぉおおおお!」

オープニングばあちゃん
「戦いにくいオープニングが 1つある程度で人類を否定してしまうような子は、「人類を滅亡させたい?」という何気ない質問を誤解して人類を滅ぼそうと決意する人工知能「ソフィア」を見せて、「上には上がいる」という真実に驚愕させてやろうかねぇ。」

わんぱく君
「や、やめてよぉ! おばあちゃん! (ガクガク・・・)」

オープニングばあちゃん
「ってな感じでいくつかのバリエーションを見てきたけど、フィリドールさん自身がフィリドール・ディフェンスでやりたかったことはちょっと違うバリエーションなんだねぇ。」

わんぱく君
「フィリドールさんがやりたかったこと? だぜ?」

オープニングばあちゃん
「フィリドールさんがフィリドール・ディフェンスでやりたかったのは、通称「フィリドール・カウンターギャンビット」と呼ばれるかなりアグレッシブな手順なんだねぇ。
「3.d4」の続きから紹介するよ。」

オープニングばあちゃん
「これが「フィリドール・カウンターギャンビット」だよ。」

わんぱく君
「うわっ・・・自分が白で相手にこれをされたらちょっと悩んじゃうぜ・・・・・・。
ブリッツだとやってみても面白そうだけど。 だぜど。
続きはどうなるんだぜ?」

オープニングばあちゃん
「続きは 3種類あるんだけど、最も人気なのは「4.dxe5」だよ。」

わんぱく君
「白ポーンが黒ポーンの後ろに回っているぜ! 面白いぜ!
でも、この後に「7...h6」と白ナイトをキックできちゃうぜ?」

オープニングばあちゃん
「それをしたらほぼ白の勝利だよ。」

オープニングばあちゃん
「となって黒クイーンが取られちゃうねぇ。」

わんぱく君
「はっはっはっ! ぜっぜっぜっ!
何を言っているんだぜ! 黒クイーンの逃げ場はありまくりだぜ!
オレなら「9...Qe7」と逃げちゃうぜ!」

オープニングばあちゃん
「しかたないねぇ・・・・・・。」

オープニングばあちゃん
「もう一つの逃げ道の「9...Qf6」でも似たような感じだよ。」

わんぱく君
「やられちゃったぜ・・・・・・。 「6...h6」と白ナイトをキックするのは諦めるぜ。
ちゅーか、「フィリドール・カウンターギャンビット」ってちょっと黒が戦いにくい気がしなくもないこともないって感じじゃないぜ。」

オープニングばあちゃん
「Wikipedia にも書いてあったけど、黒的に「なんだか怪しいなー (considered dubious)」的なバリエーションらしいねぇ。
でもマニアックなバリエーションだから、ブリッツでやったら白は「アッと驚く為五郎」だねぇ。」

わんぱく君
「タメゴ・・・なんだぜ?」

まとめ

オープニングばあちゃん
「「フィリドール・ディフェンス」はオンラインチェスでも比較的よく見るオープニングだから覚えておくと役に立つよ。
自分から使ってみるのも面白いねぇ。」

ばあちゃん・わんぱく君
「それでは次回も見に来てくださいねぇ。」「だぜ!」

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