『いちゃLove❤チェス漫才!!』とは、様々なチェスの対戦棋譜を自作チェスエンジン「Sayuri」と一緒に漫才形式で解説する記事です。
チェスエンジンを擬人化したキモい記事ですが、生温か〜い目でご覧ください。
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ゲーム
今回紹介するのは、世界を飛び回り大活躍中の日本女子のトッププレイヤー「星野華怜 (ほしのかれん)」さんです。
ゲームは 2016年のオリンピアードの第8ラウンド、バルバドス戦からです。
解説 & 漫才
僕
「今回紹介するのは日本チェス界の姫、「星野華怜 (ほしのかれん)」さんだよ。」
Sayuri
「ずいぶん若いのに実績が凄いどすな。 ものすごい数の国際大会に出ているどす。
(参考リンク : FIDE 公式サイト)」
Stockfish先生
「すごいのじゃ!
2001年生まれで 2010年から FIDE の公式大会に出ているってことは 9歳からすでにチェスの国際プレイヤーとして活躍しているということじゃ。
チェス後進国の日本でチェスに特化した環境で育てられた子供がいるなんて驚きなのじゃ!」
僕
「それが・・・星野さんは「日本チェス協会」に所属して入るけど、日本じゃなくブラジルに住んでいるらしいんだ。
海外じゃチェスは「世界的頭脳スポーツの代表格」だけど、日本じゃ「外国の遊び」程度の認識。 日本で幼少の頃からチェスの英才教育が受けられる環境はないと思う。
そもそも親御さんが子供に「一流のチェスプレイヤーなんて目指しちゃいけません!」って反対する。」
Sayuri
「将棋や囲碁は良くてチェスはダメ・・・悲しいどす。」
Stockfish先生
「海外のスポーツを日本で流行らせるには、日本のプレイヤーが世界のトップレベルで戦う必要があるのじゃ。
インドでもヴィスワナザン・アナンドさんがチェスの世界チャンピオンになってからチェスが流行ったらしいのじゃ。
つまり「ニワトリがいなきゃタマゴは生まれない」ということじゃ。」
僕
「よくぞ気付いた、明智くん。
君がいう「ニワトリ」になりうるのが今回紹介する星野華怜さんなのだよ。
つまり筋書きとしては・・・・・・
- 星野さんがチェスの女子世界チャンピオンになる。
- 日本の女子の間でチェスが大流行する。
- モテたい男子もチェスを始める。
- 日本全国チェスプレイヤーだらけになる。
- 最終的に、昔からチェスをしている僕がチェス女子にモテまくり、長年の夢「ウハウハ! ハーレム生活!」を満喫する。
・・・ってな感じだ。」
Sayuri
「「5」はないどす。
「ウハウハ! ハーレム生活!」とか言ってるキモオタがモテることは絶対にないどす。」
Stockfish先生
「そもそもこの男は「ハーレム」どころか「恋愛経験」が一度もないのじゃ。」
僕
「バ、バラすな!」
Sayuri
「涙が出てきたどす。」
僕
「あ、哀れむな!」
Stockfish先生
「おや? 星野さんは将棋の方でも有名人みたいじゃな。」
僕
「将棋の国際大会にブラジル代表としてよく出場しているみたい。
ソースは・・・
・・・だ。」
Sayuri
「「ブラジル代表」どすか・・・チェスの方も強くなったらブラジルに移籍するような気がするどす・・・。」
僕
「こ、こら! めちゃくちゃあり得そうなことを口にするな! 本当にそうなっちゃうだろ!
いいか、こういう時は「さすが星野さん! チェスの女子日本チャンピオン!」とか「日本代表の星野さん! 頑張って下さい!」とか応援しまくって、星野さんに「日本にずっといたい!」って思ってもらうことが大切なんだ。
星野さん姉妹は幼少時代からチェス教育を受けている数少ないプレイヤー。 日本代表のままでいてもらわないと、こんなチャンスは二度と来ないかもしれないんだ!」
Sayuri
「「チャンス」ってのは「ウハウハ! ハーレム生活!」のことどすか?
年端も行かぬ少女を己の欲望のために利用するのは人として「クズ」だと思うどす。」
Stockfish先生
「どうやらこの男も堕ちるとこまで堕ちたようじゃのう・・・・・・。」
僕
「ちっがーーーーう!! 「チャンス」ってのは「日本でチェスがメジャーになるチャンス」のこと!
とにかく僕は日本のチェスファンに星野さんを知ってもらって、多くの人に星野さんを応援して欲しいって思っているんだ。
日本で一番世界チャンピオンになる可能性が高い人だと思うから。」
Sayuri
「このブログでいくら主張したところで大した影響力はないどすが、まぁいいどす。」
僕
「ってなわけで、今回のゲームは 2016年のオリンピアードの女子の第8ラウンドのバルバドス戦から。」
Stockfish先生
「では解説じゃ。
「Ply 10 : O-O」で King's Indian, Saemisch じゃ。」
僕
「中央の 3つ並んだ白ポーンが凄い威圧感を放っている感じ。
ピースの展開とキングの安全性に遅れを取っているからこれ以上ポーンを突けないけど、黒からこのポーンを崩すのは難しいと思う。
横に並んだポーンの特徴は「柔軟に変形できる」ってとこだから。」
Sayuri
「星野さんの他のゲームを見ていると、星野さんは白番の時は初手 d4 をメインで使っているみたいどす。
なんだかスーザン・ポルガーさんを彷彿させるどす。」
僕
「「伝説の始まり」の予感がする。」
Stockfish先生
「「Ply 31 : g4」で大量のポーンで黒を封じ込めにかかったのじゃが・・・。」
僕
「Stockfish先生の分析によると悪手らしい。 評価値が黒に傾いてしまった。
どういうことかというと・・・
- 黒が Nxe4 と黒ナイトで白ポーンを取ってくる。
- 白が Nxe4 と取り返したら一見すると単なる黒の駒損に見えるけど・・・・・・。
- 黒が Ba4 とビショップでクイーンを攻める。 さっきまで a4 を守っていた白ナイトがいなくなったからだ。
- 白が Qa3 と逃げると Nxc4 Qxa4 Nex3 という交換で白ポーンが余計に取られる。
- そして Rf3 Nxd5 でさらに白ポーンが取られて白のセンターポーンは壊滅。 白はピース 1つ得しているけど、黒はプロテクテッド・パスポーンという最強ポーンを 2つも作ることになる。
・・・ということらしい。」
Stockfish先生
「ワシはコンピュータじゃから確実に読めたのじゃが、人間の場合は、たとえその手順を発見できたとしても、本当にその手順が上手く行くかどうか検証するのは難しいのじゃ。」
僕
「僕なんて全然気付かなかったもんっ!」
Sayuri
「中年オヤジの「もんっ!」は吐き気がするどす。」
Stockfish先生
「「Ply 42 : Nb4」と黒はナイトの交換を迫ってギュウギュウ詰めを解消しにきたのじゃ。」
僕
「Stockfish先生によると、ギュウギュウ詰めを解消するなら黒は gxf5 gxf5 dxe5 とした方が良かったらしい。
たしかに黒はキング前が心配かもしれないが、それは白も同じだし、白の駒はそんなに黒キング周辺には利いていない。」
Stockfish先生
「「Ply 48 : Bc8」で黒のピースは第1ランクにペッタンコじゃ。」
僕
「こうなると黒の b8 のルーク、c8 のビショップ、d8 のクイーンはしばらく何の役にも立たない。
白はここから好きなように黒を料理できる。」
Stockfish先生
「「Ply 51 : Nf7」で白はメイティングネットをしかけるのじゃ。」
僕
「「メイティングネット」は相手のキングの動きを縛ってチェックメイトしやすくする攻撃のこと。
ただ Stockfish先生によると、Nf7 より Nxh7 の方が良かったみたい。
ナイトを犠牲にして黒キング前の黒ポーンを潰した方が早く勝てるみたい。」
Sayuri
「でも、早かろうが遅かろうが勝ちは勝ちどす。」
Stockfish先生
「「Ply 86 : Bb2」と黒ビショップが白ポーンを取った手で白のチェックメイトが確定じゃ。
そして「Ply 89 : Qf8#」でチェックメイトじゃ。」
僕
「この 2016年のオリンピアードで星野さんは 6勝 3敗 1引分の超大活躍。
オリンピアードはスイス式なので対戦相手は日本と同程度の相手ばかり。 それでこの好成績ってことは、星野さんは現在の日本女子のレベルを大きく上回っているってことだと思う。」
Sayuri
「「大きく上回っている」・・・どすか。 あんさんの勇気に感服するどす。」
僕
「感服? どういうこと?」
Sayuri
「あんさんは星野さんを持ち上げたいばかりに他の女子プレイヤーを貶めたどす。
キモオタがよくやる「推し以外はブタ」論法どすな。
他の女子プレイヤーも血の滲むような努力をして日本代表の座を勝ち取ったどす。 それをあんさんはケラケラ嘲笑いながら彼女達のプライドを踏みにじり、挙句の果に「ブタ!」と吐き捨てたどす。」
僕
「ちょちょちょ、ちょっと待て! そんなこと言ってないだろ!
「大きく上回っている」はちょっと言い過ぎた気もするけど、それがどうやったら「ブタ!」になるんだ!」
Stockfish先生
「終わったのう、MetalPhaetonよ。 明日から日本全国の女性からガン無視じゃ。」
僕
「い、嫌だ! 女子に嫌われたくない! 僕の夢は「リア充」なんだ!
うわぁあああああああああああああ!!」
Sayuri
「よし! 精神破壊完了どす!」
Stockfish先生
「Sayuri よ、お主はこういう時しか笑顔にならんのう。」
一同
「ははははは!」
ナレーション
「星野さん! ブラジルに移籍しないで!」「日本チェス協会さん! 星野さんを大切に!」と心の中で叫びつつも、今日も和やかに人工知能達の宴が終わるのであった・・・・・・次回、乞うご期待!!