オープニングばあちゃん
「さて私、オープニングばあちゃんのオープニング講座でも始めようかねぇ。」
わんぱく君
「オレはチェスとヤンチャが大好きわんぱく君だぜ! よろしくだぜ!」
オープニング講座
オープニングばあちゃん
「さぁて、今回紹介するオープニングは「ルイ・ロペス」だよ。」
わんぱく君
「別名「スプラッシュゲーム」と呼ばれているぜ!」
オープニングばあちゃん
「「スパニッシュ」を「スプラッシュ」と言い間違える子は、杭打ち機で頭蓋骨をスプラッシュさせてやろうかねぇ。」
わんぱく君
「や、やめてよぉ! おばあちゃん! (ガクガク・・・)」
オープニングばあちゃん
「では早速初手から見ていこうかねぇ。」
オープニングばあちゃん
「この 4手は「キングス・ポーン・ゲーム」の基本形だねぇ。 いろんなオープニングで使われているよ。
目的は、
- 相手にセンターを利用されないようにポーンとナイトでセンターをコントロール。
- ポーンが多い序盤で活躍するナイトを戦場に展開。
- センターのポーンを上げることでビショップを動けるようにする。
- ビショップやナイトを早期に動かせるようにすることで、キングをすぐにキャスリングできるようにする。
と、お互いたった 2手でたくさんの戦略要素を実現できる凄い手順だねぇ。」
わんぱく君
「この部分は「オープニング講座 - イタリアンゲーム」からのコピペだぜ!」
オープニングばあちゃん
「そして次の手がまさに「ルイ・ロペス」だねぇ。」
オープニングばあちゃん
「この手は一見すると「e5 の黒ポーンを守っている黒ナイトを取って白ナイトで黒ポーンを取ってしまおう」って手に見えるねぇ。 でも実はちょっと違うんだねぇ。」
わんぱく君
「違うことないぜ!
白が黒ナイトをビショップで取れば黒は白ビショップを取らざるを得ないぜ。 そしたら白ナイトで黒ポーンを取って 1ポーンアップだぜ。
おばあちゃんはもっとチェスの勉強をした方がいいぜ!」
オープニングばあちゃん
「理由を説明をする前に反論し、さらに教師に対して教師のように説教をするような子は、冬の北国の学校のコンクリート製の廊下で裸足で 4時間立たせて足先からジワリジワリと壊死させてやろうかねぇ。」
わんぱく君
「や、やめてよぉ! おばあちゃん! (ガクガク・・・)」
オープニングばあちゃん
「まぁ、口で言うより実際の手順を見たほうが分かりやすいから、白が黒ナイトと黒ポーンをとった場合を見てみるかねぇ。」
わんぱく君
「取れたじゃん! だぜ! オレが言ったとおりだぜ!」
オープニングばあちゃん
「よく見るんだよ。 黒は白ビショップを「クイーンの前のポーン」で取ったというのがミソなんだよ。
その結果、次のようなことができるんだよ。」
わんぱく君
「白のナイトとポーンがフォークされたぜ! これで黒は取られたポーンを取り返せるのか! だぜ!」
オープニングばあちゃん
「まぁ、それだけなら互角ってところだけど、実は続きがあって、白はこの後酷い目に合うんだよ。
その様子を見ていこうかねぇ。」
わんぱく君
「白がキャスリングを放棄させられたってこと? だぜ?
でもお互いクイーンがいないんじゃ大した損じゃないぜ?」
オープニングばあちゃん
「キャスリングよりも問題なのは駒の配置だよ。
とりあえず白と黒の配置の比較をすると・・・
- 白のビショップは動けない。
- 対して黒のビショップは動きやすい。
- オープンポジションで、白はビショップが 1個。
- 対して黒はビショップペア。
- 白はルークを活用するのにキングを動かさないといけない。
- 対して黒はロングキャスリングでルークをセミオープンファイルへ移動できる。
結果的に、「白は戦いを始めるのにまだまだ準備が必要」に対して「黒はいつでも戦いを始められる」といった感じで黒がかなり有利な状況なんだねぇ。」
わんぱく君
「じゃあ、あの時に白がビショップで黒ナイトを取ったのは失敗なの? だぜ?」
オープニングばあちゃん
「そんなことはないよ。 4.Bxc6 のあとは次のように指していけば白は酷い目に合わないよ。」
わんぱく君
「あぁ、キャスリングすればいいのか。 だぜ。」
オープニングばあちゃん
「その代わりに次の手で黒が e5 のポーンを守るから白は駒得はできないよ。
ついでに黒が e5 のポーンを守る方法をいくつか紹介しようかねぇ。」
オープニングばあちゃん
「いちばんオーソドックスな方法だねぇ。 この場合は黒はショートキャスリングを目指す感じだねぇ。」
オープニングばあちゃん
「これは白ナイトをピンして守る方法だねぇ。
白はキングサイドにキャスリングしているからかなり有効な手だよ。
ついでに黒はロングキャスリングの準備ができるからお得だねぇ。
黒にとって d ファイルはセミオープンファイルだからロングキャスリングしてルークを d ファイルに配置するのはとても有効だよ。」
オープニングばあちゃん
「これはさっきの方法のように黒はロングキャスリングの準備も兼ねた手だねぇ。
この後にさっきみたいに黒ビショップで白ナイトをピンするといいかもねぇ。」
オープニングばあちゃん
「これはピースの負担をなくすためにポーンで守った手だねぇ。
白の白マスビショップがいないから f7 の位置を空けてもあまり問題ないんだねぇ。
しかもこのポーンは f3 の白ナイトの動きを制限しているから割とお得な手でもあるんだよ。
ちなみに Chessgames.com のオープニングエクスプローラではこれが一番人気みたいだねぇ。
(参考リンク : Chessgames.com の Opening Explorer)
とまぁ、長かったけどこんなもんかねぇ。」
わんぱく君
「ZZZzzz・・・ムニャムニャ、1 足す 1 は 3・・・やった、正解だ・・・ムニャムニャ(居眠り)」
オープニングばあちゃん
「間違った算数の答えを正解だとする都合のいい夢を見るような子は、1万次元の正則行列の逆行列を筆算で計算させて人生を無駄に終わらせてやろうかねぇ。」
わんぱく君
「はっ! (目覚め)
や、やめてよぉ! おばあちゃん! (ガクガク・・・)」
オープニングばあちゃん
「さてここからは、3.Bb5 の続きを 2種類紹介しようかねぇ。
だよ。」
ルイ・ロペス、クローズド
オープニングばあちゃん
「先ずは「ルイ・ロペス、クローズド」だよ。」
オープニングばあちゃん
「とりあえずここまでは後で紹介する「ルイ・ロペス、オープン」も同じだよ。」
わんぱく君
「あれ? これは白の e4 のポーンが取られちゃうんじゃないか? だぜ?」
オープニングばあちゃん
「そうだねぇ。
黒が e4 の白ポーンを取ったら「ルイ・ロペス、オープン」、取らなかったら「ルイ・ロペス、クローズド」ってことだねぇ。
とりあえず「取らなかったら」の場合を紹介するよ。」
オープニングばあちゃん
「こんな感じだねぇ。 ポイントは最後に 9.h3 とポーンを上げて f3 のナイトをピンさせないようにしているところだよ。」
わんぱく君
「黒の Bg4 による f3 のナイトへのピンは痛いぜ。」
オープニングばあちゃん
「特に「ルイ・ロペス、クローズド」の場合は、白の白マスビショップがクイーンサイドにいるからピンをビショップで外せないんだねぇ。
だからといって白クイーンを移動させてピンを外すと黒ビショップが白ナイトを取った時にキングの前の g2 ポーンで取り返さないといけない。 そうなると白キングの盾が壊れて g ファイルが開いてしまう。
黒はビショップやクイーンをキングサイドに展開させやすい配置だから白は危険な状態になってしまうんだよ。」
ルイ・ロペス、オープン
オープニングばあちゃん
「次は「ルイ・ロペス、オープン」だよ。」
オープニングばあちゃん
「ここまではさっき紹介した「ルイ・ロペス、クローズド」と同じだねぇ。」
わんぱく君
「「オープン」は黒が e4 の白ポーンを取った場合だぜ!」
わんぱく君
「えっ!? d3 で黒ナイトを追い払わずに d4 だって!? だぜ!?
黒が exd4 って取ってきたらどうするんだぜ!?」
オープニングばあちゃん
「取ってきた場合は f1 にいる白ルークで黒ナイトをピンするんだよ。
少しだけ手順を見てみようかねぇ。」
オープニングばあちゃん
「こんな感じで c6 にいる黒ナイトまでもピンされて、さらに黒は次に白が f3 とポーンを突いてきた時のことを考えないといけなくなるんだよ。
ちょっと黒にとっていろいろ面倒臭い状況だねぇ。」
わんぱく君
「分かったぜ。 じゃあ 6.d4 の続きは? だぜ?」
オープニングばあちゃん
「定跡通りなら次のようになっていく感じだねぇ。」
オープニングばあちゃん
「まぁ、ここまできっちり定跡通りにはならないことが多いけどねぇ。」
わんぱく君
「分かったぜ! つまり「定跡通りの人生より、盗んだバイクで走りだせ!」ってことだぜ! 」
オープニングばあちゃん
「青春な歌の歌詞に感化されてプチ不良になろうとする子は、「ドナドナ」に感化させて市場で食肉として売りさばいてやろうかねぇ。」
わんぱく君
「や、やめてよぉ! おばあちゃん! (ガクガク・・・)」
まとめ
オープニングばあちゃん
「ルイ・ロペスは「センターコントロール」「ピースの展開」「キャスリング」を最速で行えるオープニングだよ。
自分が黒番の時は少し慣れが必要だからコンピュータ相手に練習してみるのもいいかもねぇ。」
ばあちゃん・わんぱく君
「それでは次回も見に来てくださいねぇ。」「だぜ!」